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絞り出し・ものぐさ精神分析

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絞り出し・ものぐさ精神分析

なんだかヘンテコな顔だ。
ちょっと見ると骸骨のようにも見えたりする。
それもかなりノーテンキな。

「愉快な骸骨さん」?
と暢気に読み進めると違った。
コラッ、ノーテンキにしてると、あっという間に皆して、死んじまうぞ……
精神分析専門家、岸田秀氏の頑丈なメスが、
ノーテンキのふやけ頭にしっかり食い込んで唸り始める。
 

私は原則として再軍備には反対ではない。
国を護るには軍備が必要であると思っている。

しかし、軍事大国であった大日本帝国が
なぜあのような拙劣な戦争をしたのか、
その戦争でなぜあのような悲惨な結果を
招いたのかの原因をよく考えてみる必要がある。

それは、大日本帝国陸海軍が自閉的共同体であったからである。
陸軍自体、海軍自体が自閉的共同体であったにとどまらず、
それぞれの多くの下部組織も自閉的共同体であった。

その結果、日本の軍隊は、国全体、国民全体のためではなく、
それぞれの共同体のために戦うということになってしまっていて、
そのため、命を惜しまず勇敢に真剣に戦った個々の兵士が
どれほどいたとしても、日本軍全体としては惨敗は必然であった。

~中略~

抽象的に再軍備は是か非かを論じるのは無意味であって、
具体的に自閉的共同体でない軍隊をつくれるのかどうか、
つくった軍隊が自閉的共同体になるのを
防ぐことができるかどうかを問題にすべきである。
それができないうちは再軍備には反対である。

 
これは再軍備問題。
かつての呆れかえるような日本軍トップのお粗末と、
そのお粗末が招いたあまりにも大量の人々の無惨死,
これを紹介していく……

どれ一つとっても今と同じ。
また負ける?
皆そろってノーテンキ骸骨になる?

そして、このお粗末が、この度の原子力惨禍に
ピタリと結びついていくと切りさばいていく。
 

成長戦略そのものは変らないのだから、
現代日本の原子力政策が、かつての日本の軍事政策と
構造的に相似しているのには何の不思議もない。

日本軍の各機関が自閉的共同体であったように、
原子力関係の各機関も自閉的共同体であって、いずれもその特徴
(たとえば、共同体の外部の人たちへの被害への無関心)
を露骨に示している。

原発安全神話は皇軍不敗神話と同じ性質の神話で、
ともに事故の発生または作戦の失敗を防ぐどころか、
逆に不可避的に招いている。

民衆を善導するつもりで真実を隠蔽して被害をいたずらに
大きくする点で東電の発表は大本営の発表と同じである。

原子力発電所が増殖してゆく過程は大日本帝国陸海軍の
部隊や艦艇が増殖してゆく過程と同じである。

作り始めると、多ければ多いほどいいような気がしてくるのである。

 
清志郎も福島県人Kさんもこれなら納得するだろう。
少しは気持ちも収まるのではないか?

青土社刊 ¥1,800

Written by イガイガボン

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